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川本三郎の『映画のメリーゴーラウンド』

クリスマスの話から…『ALWAYS 三丁目の夕日』、『男はつらいよ』シリーズにつながりました。

隔週連載

第13回

18/12/11(火)

 日本でクリスマスがにぎやかな行事になったのはいつ頃からだろう。
 家庭ではクリスマス・ツリーが飾られる(キリスト教徒でもないのに)。子供たちはサンタクロースの贈り物を楽しみにする。町の商店街ではジングル・ベルが鳴り、大売出しが始まる。
 こういう師走のクリスマスのにぎわいが始まったのは、昭和二十年代の後半、戦後の混乱期も終わり、世の中が落着いてからではないか。
 昭和二十八年(1953年)の成瀬巳喜男監督の『夫婦』では、サラリーマンの夫(上原謙)と若い妻(杉葉子)がクリスマスの時期に町に出る。商店街ではジングル・ベルが流れ、大売出しが始まっている。サンタクロースの格好をしたサンドイッチマンがいる。ダンスホールでは若い男女がダンスに興じる。日本ならではのクリスマスの光景がこのころから見られるようになったことがうかがえる。
 昭和三十年代ノスタルジーの映画、西岸良平の漫画をもとにした山崎貴監督の『ALWAYS 三丁目の夕日』(05年)は、東京タワーが完成した昭和三十三年(1958年)、港区の愛宕下あたりの庶民の町を舞台にしている。

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