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全曲アッパーなナンバーが“狂い咲く”饗宴 ZAQ『KURUIZAQ ver.2018』を見て

リアルサウンド

18/12/28(金) 8:00

 ZAQのワンマンライブ『KURUIZAQ ver.2018』が12月14日、東京・新宿BLAZEで開催された。『KURUIZAQ』は昨年からZAQが年に一度開催しているライブシリーズ。そのタイトルのとおり、まるで花が“狂い咲く”かのようにカラフルでアッパーなナンバーを中心に構成するステージを展開している。

 超満員のオーディエンスが開場SEにあわせてハンドクラップを打ち鳴らすBLAZEに登場したZAQは、ギター、ベース、キーボード、ドラムからなるサポートバンド、通称“ZAQジャパン”とともに「カタラレズトモ」をドロップ。そのまま「Last Proof」とヘビィロックチューンを2連発し、さらに「もっとスピード上げていけますか!」のシャウトとともに高速ツービートロック「SPEED JUNKY」を重ねる“狂い咲いた”3曲で今年の『KURUIZAQ』の幕を開けた。

 その後も彼女のテンションは開幕直後のまま。「ZAQのライブにはお客さんを“絶対ころすゾーン”っていうのがあるんですけど、今日は全曲“絶対ころすゾーン”です!」と高らかに宣言したとおり、「エキストラレボリューション」「Make It Glitter」とエレクトリックな2曲を投下したかと思えば、アニメ『響け!ユーフォニアム』発の声優ユニット・北宇治カルテットに提供したブラスパンクナンバー「トゥッティ!」のセルフカバーバージョンと、『ささみさん@がんばらない』のオープニングテーマ「Alteration」とヒットチューンを連発。また『紅殻のパンドラ』エンディングテーマのラブリーなポップチューン「LoSe±CoNtRoL」のセルフカバー版や、イカツめのフリースタイルラップで楽曲をキックする「GLITCH」、『ようこそ実力至上主義の教室へ』のオープニングテーマであるアシッドジャズナンバー「カーストルーム」とバラエティ豊かな楽曲群でセットリストを構成した。

 また今回の『KURUIZAQ』ではZAQと“ZAQジャパン”のプレイヤーとして、そしてアレンジャーとしての腕も見どころのひとつとなっていた。ブライトなミディアムチューン「LATE STARTER→」は1000人のオーディエンスのハンドクラップを煽るパワフルなロックテイストにお色直しされ、エレポップチューン「モノクロームモンスター」はよりパーカッシブでダンサブルな1曲に、ビートパンクナンバー「絶好調UNLIMITED」はさらに高速でエモーショナル、かつ楽器隊がソロを回し合うテクニカルな1曲へと変身。ZAQ曰く”絶対ころすゾーン”のパワーアップバージョン“絶対絶対ころすころすゾーン”だというライブ後半戦でも彼女と“ZAQジャパン”は、ダブステップナンバー「OVERDRIVER」を人力で再現し、「ない」「Seven Doors」「TOGARE」「BRAVER」とヘビィロックナンバーを畳みかけるなど、そのテクニックを満天下にアピールしてみせる。そしてライブのテーマソングでもあるコミカルなダンスロック「KURUIZAQ」でオーディエンスを踊らせたところでライブ本編は終了。歓声と拍手を背に彼女たちはステージをあとにした。

 その直後に巻き起こったアンコールに応えたZAQと“ZAQジャパン”がまず披露したのはエレクトリックなヒップホップナンバー「Shout to the top」。これでまたもフロアを踊らせると、2019年3月9日に、その日付と自身の名前になぞらえた毎年恒例のライブ「ZAQの日 vol.3」を東京・下北沢GARDENで開催することと、同年1月23日にニューシングル「ソラノネ」をリリースすることをアナウンスして、そのままアニメ『荒野のコトブキ飛行隊』のオープニングテーマでもあるシングル表題曲をプレイ。正統派ビッグバンドジャズというZAQサウンドの新しい一面を響かせることでオーディエンスを驚かせた後、彼女はデビュー曲にして最大のヒットチューン「Sparkling Daydream」でこの日一番の熱狂を生み出して、今年の『KURUIZAQ』を締めくくった。

 “絶対ころす”というZAQの言葉どおり、いわゆる「エモい」セットリストが魅力の『KURUIZAQ』だが、今回の公演で彼女はそのプレイを通じて、自身の“エモさ”を担保するものを呈する格好に。彼女のソングライター・アレンジャーとしての才能、ボーカリストとしての能力、“ZAQジャパン”のZAQ楽曲への理解と演奏能力。ステージ、フロアともに“狂い咲いた”あの空間が生み出されたのは、これらのエレメントが複雑かつ高次元で絡み合った結果であることはまず間違いないだろう。

■セットリスト
01. カタラレズトモ
02. Last Proof
03. SPEED JUNKY
04. エキストラレボリューション
05. Make It Glitter
06. トゥッティ!
07. Alteration
08. LoSe±CoNtRoL
09. GLITCH
10. カーストルーム
11. LATE STARTER→
12. モノクロームモンスター
13. 絶好調UNLIMITED
14. ONE WAY ROAD!!
15 .OVERDRIVER
16. ない
17. Seven Doors
18. TOGARE
19. BRAVER
20. KURUIZAQ
<アンコール>
21. Shout to the top
22. ソラノネ
23. Sparkling Daydream

(文=成松哲/カメラマン=キセキミチコ)

公式サイト

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