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ŹOOĻ 『einsatZ』インタビュー 広瀬裕也、木村 昴、西山宏太朗、近藤 隆が1stアルバムに込めた、グループの存在意義

リアルサウンド

20/12/4(金) 12:00

 11月25日、待望の1stアルバム『einsatZ』をリリースしたŹOOĻ。「einsatZ(アインザッツ)=音の出だし」という意味の言葉をタイトルに冠すこのアルバムは、制作陣にJUVENILE、前山田健一、Jeff Miyaharaらを迎えた渾身の一作となっている。楽曲の魅力を紐解きながら、ŹOOĻが今まで辿ってきた道のり、そして彼らがこれから目指していくものについて、広瀬裕也(亥清 悠役)、木村 昴(狗丸トウマ役) 、西山宏太朗(棗 巳波役)、近藤 隆(御堂虎於役)の4人に話を聞いた。(満島エリオ)

広瀬「(ŹOOĻは)『アイナナ』の世界観に今までいなかった存在」

――『アイドリッシュセブン』(以下、『アイナナ』)は今年で5周年を迎えました。ŹOOĻは同作品全体のストーリーにおいて、第3部から登場しましたが、作品への参加が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?

広瀬裕也(以下、広瀬):もともと周りに『アイナナ』を知っている人もいたし、楽曲を聴いたこともあったので、純粋に嬉しかったですね。親が歌を歌うのが好きで小さい頃から音楽には親しみがあり、自分も歌うことが大好きなので、そういう意味でも参加できて嬉しかったです。

木村 昴(以下、木村):声優たちの間でも話題になっていて、詳しく知るほど、ストーリーやドラマがリアルに存在している、すごい作品だなと感じました。(参加するにあたって)光栄な気持ちと嬉しい気持ちがありましたね。

西山宏太朗(以下、西山):僕も作品のことは同世代であり友人でもある他のメンバーからすごくストーリーがいい、という話を聞いていた中でオファーをいただいたので、そこに自分が参加できることはまず嬉しいなと思いました。ŹOOĻはヒールなグループで、今までそういうポジションの役はやったことがなかったので、すごくドキドキしてました。

近藤 隆(以下、近藤):こんなにはっきりと「ヒール的な存在です」という役割を与えられることは珍しいので、すごい挑戦だと感じました。なので(オファーをもらった時)「そんなおもしろい企画ならやる!」と飛びつきました(笑)。ヒールとしてやれることは徹底的にやらないと、正しい意味で他3組のグループ(IDOLiSH7、TRIGGER、Re:vale)からの反発を得られないので。その3組とファンに怒られる、恨まれる覚悟で、この役を楽しく受け入れていました。

――ご自身が演じた各メンバーについての印象はいかがでしょうか?

広瀬:亥清 悠(以下、悠)はツンツンしているけど、実際はすごく純粋。おばあちゃん子で、歌が好き、そしてストレートな感情を持ってます。小さい頃からいろいろなことがあり、背負っているもの、つらいものがあると思うとグッときますね。

木村:狗丸トウマ(以下、トウマ)は特に天邪鬼なところがあって、「絶対真面目に歌わない!」と言って登場しましたが、その一方で、本当はIDOLiSH7たちと仲良くしたいという本音もストーリーやキャラクター性に出てる。本心とやりたいことに違いがあるなと思ったので、そういう微妙な心境にこだわりました。

西山:棗 巳波(以下、巳波)は、感情が表情に出ない、クールで冷静沈着な部分があって、そこがかわいいなと思いますね。その一方で、ŹOOĻの中で巳波は作詞作曲を担っていて、曲はすごく赤裸々だなと思います。「がっつり悪でいくぜ!」という部分もありつつ、内向的な部分もあったり。なので曲を聴くことで、より巳波のことを好きになりました。

近藤:御堂虎於(以下、虎於)に限らず、人物の掘り下げが多角的で深く、それぞれが過去に誰かとの確執を持っているので、ŹOOĻが登場する前にもŹOOĻという存在が物語の中に息づいていたんだなと感じます。虎於はオラついているところはあるのですが、4人の中では、あらゆるものに対して一番執着が少ないなと思いました。解散騒動が起こった時にもスッと引いてしまうし。いい意味でも悪い意味でも「大人である」ところが、彼のキーになっていると思います。

――ヒールな立ち位置への不安はありませんでしたか?

西山:むちゃくちゃありましたよ!

広瀬:もうすでにいる3組のグループだけでも『アイナナ』の形ができているので、その中に入れるのかな、という不安もありました。ŹOOĻの立ち位置も含めて、『アイナナ』の世界観に今までいなかった存在だったので。

木村:ファンの皆さんの話を聞いていると、ものすごくドラマに没入しているので、TRIGGERのファンの方達は、特に悔しかったと思います。なので、最初は僕たちも大丈夫か、嫌われるんじゃないかという不安がありましたし、怖かったですね。でも、その後の展開で「ŹOOĻにもこんな一面があった」ということをファンの皆さんに理解してもらえたらいいなと思っていたので、(当初は)「もうちょっと時間ください」と。

近藤:心配はありましたし、今でもそういう気持ちは持っています。自分たちを認めてほしいとは思っているけれど、認めなくていいし許さなくていいとも思ってますね。その上で、この『アイナナ』の世界で4組のアイドルが一緒に生きていくからこそ、それぞれの見方を持っていてくれればいいなと。第3部が始まった時、ファンの皆さんからの反応をチェックしていたんですけど、「ŹOOĻ嫌い!」ってはっきり書いてあるんですよ! 

広瀬:でも「Poisonous Gangster」が出た時に少し変化を感じました。それまで偉そうなことを言っていた手前、パフォーマンスや歌のレベルが低かったりしたら成立しないですし、ツインボーカルのペアである昴さんもすごく歌が上手いので。だから、なんとしてもうまく歌い上げたいという思いがありました。なので、「Poisonous Gangster」が出たタイミングで皆さんに「いいんじゃない?」と言ってもらえたことは嬉しかったです。

――最初にŹOOĻの楽曲として発表された「Poisonous Gangster」自体も、それまでの『アイナナ』にはないタイプの、荒々しいパワーのある楽曲でしたね。

木村:ヒップホップともK-POPとも、ましてやロックサウンドとも違う、ŹOOĻのオリジナルな曲の雰囲気がカッケーなと興奮したのを覚えています。これまでにないっていうのは「これができる」という楽しみでもある。これを自分が歌うんだ! って。

――そこから楽曲の公開とストーリーを重ね、ŹOOĻは2019年にメットライフドームで行われた2nd LIVE『REUNION』に参加しましたよね。

広瀬:1st LIVEの『Road To Infinity』も観させてもらっていたので、「このライブにŹOOĻとしてどうやって臨めばいいんだろう?」と思っていました。セットリストもTRIGGERの前で、ドキドキでしたね。お客さんが椅子に座ったりしたら悲しいなって(笑)。

木村:ストーリー的にもファンの心の整理がついていないタイミングだったと思うので、ライブで登場して大ブーイングを食らう可能性も、なきにしもあらずだな、と。なので、ライブ前にŹOOĻみんなで集まったんですよ。4人で一致団結するために、どういう不安があるかを言い合ったりして。ブーイングきたらどうする? でもそうなっても俺らは歌い切ろうぜ! みたいな話をして。青春してましたね。

広瀬:そうですね。「何があってもがんばろう」と話していましたね。ちょっとでも空気感を変えられたらいいと思っていたので、まずは曲として1曲1曲仕上げていこうよ、と。

西山:近藤さんも「やってやろうぜ」とおっしゃっていましたよね。ブーイングになったら、それはそれでŹOOĻだよ! って。

近藤:そのブーイングすらねじ伏せられるくらいのパフォーマンスを目指そうと話してました。けど、正直ドキドキしましたね(笑)。

アイドリッシュセブン 2nd LIVE「REUNION」Special Digest

――実際のライブでは、大歓声の中、ŹOOĻは受け入れられていましたね。

木村:僕らが心配しすぎたというのもあったんですが、その分歓声がめちゃくちゃ嬉しかった。トウマが言った「俺たちの名前を叫べ!」という感覚を、身をもって体感できました。僕らの使命はステージに出てちゃんとやりきること。2nd LIVEからの参加だけど、それよりも前からŹOOĻは活動していたことがわかるように、パフォーマンスで劣らないステージをかましたいなという気持ちで臨んだので、あの歓声はそれを認めてもらえたような気がしました。

広瀬: MCでイヤモニを外した時、こんなに大勢の人がいて、こんなに声が聴こえていたんだって感じましたね。

西山:1日目、2日目とやるにつれて声援も大きくなって、ストーリーにピッタリ合ってる感じも気持ちよかったです。

近藤:ストーリー的には『レッフェス』(『レッドヒル・フェスティバル』)に出ていたタイミングだったので、まさにそこに合う感じでしたよね。

西山:4人でステージに立つ意味、歌う意味がわかってきて。我々にとっては大きなターニングポイントになりました。

近藤:結束力を高める、非常にいい機会だったよね。

広瀬:でも、とにかくめちゃくちゃ緊張しました。全員登場して並ぶ時、表向きはクールに決めていたんですが、頭の中は真っ白で。僕は「移動してください」という合図よりも早く歩き出してしまって。みんな「あいつ歩きだしたぞ!」となっているのに、それすらわからなかった(笑)。あとから「お前早いよ」って言われるくらいアガってました。

近藤「(初ラップは)木村 昴という教科書がいたから、心配することはなかった」

――そして、ついに満を持して1stアルバム『einsatZ』がリリースされましたね。すごくŹOOĻらしいところもあり、今までにない新しい側面も見せてくれた部分もある一枚になっていると感じました。

木村:これまでŹOOĻを応援してくださった人に楽しんでもらいたいというのもありますし、アルバムを機に、これからŹOOĻを聴く人もいると思うので、そういう人たちにもŹOOĻの音楽を見せつけたい。そういった意味でも素晴らしい一枚になったなと。表面的なŹOOĻのイメージにぴったりな曲もあれば、新しい側面も詰め込まれた、充実したいいアルバムだなと思います。

――ŹOOĻはツインボーカル&ツインパフォーマーという体制でしたが、広瀬さん、木村さんは、メインボーカルの相方でもあるそれぞれの歌声についていかがですか?

広瀬:トウマのラップが、ŹOOĻの一つの強みですね。自分で言うのもおかしいですけど、悠との声のバランスもいいと思います。声質も違うし、2人で歌うと味も出ますし。ゴリゴリなラップもあるし、歌い上げるところもあります。

木村:広瀬くんは歌が上手いのはもちろんですが、表現力が豊かですよね。力強さとか声の伸びの良さとか、メロディの力を借りて言葉の力をより大きくすることのできる歌唱力を持っていると思います。僕も食らいついて歌わなきゃなという気持ちになりますから。

広瀬:僕が最初にレコーディングすることが多かったので、そのプレッシャーはありましたね。僕がバキバキでいかないと皆さん(気持ちが)乗ってこないだろうし、キーも、「自分の出しやすいキーはここだけど、悠だったらこっちのキーがいいと思う」ってことがあったり、その場その場で変わっていくのもおもしろいなと思いました。

木村:そう、大体広瀬くんのレコーディングが最初で、その次に僕がすることが多かったので、まず広瀬くんの歌を聴くと「今回もやってんなー!」といつも驚かされました。僕は僕なりの表現を作っているんですが、それが広瀬くんのボーカルと合わさった時にバチンとハマると気持ちいいですよね。

 あとは、ディレクターさんやエンジニアさんが素晴らしかったですね。例えば「負けたくない」という気持ちが大事な曲に関して、僕がその気持ち一本になっちゃって「負けたくないだけの曲」になりかけた時、感情のディレクションをしてくださったのでありがたかったです。ただ「声を張って欲しい」だけではなくて、なぜ(声を)張ってほしいのか、それは悲痛な叫びだったり、この人に届けたい部分だからなんだと説明してくださるので、気持ちを込めやすいんです。ディレクションを汲み取ってその通りに歌うと、いい歌になっていく。ちゃんとハートのあるディレクションをしてくださるので、歌っていて自分も全力を出したい、応えたいという気持ちになります。

ŹOOĻ 1st Album “einsatZ” 2020.11.25 on sale!

――今回のアルバムでは、パフォーマーだった虎於と巳波が本格的にボーカル参加しているところも大きな聴きどころですね。「Poisonous Gangster」「LOOK AT…」も、アルバムに収録されるにあたり、巳波と虎於のボーカルパートが増えています。

西山:以前からコーラスやラップの部分は一緒に歌ってはいたんですが、その時から「難しいな、この曲」と思っていました。楽曲のジャンル的にも、K-POPっぽい雰囲気がふんだんに詰め込まれていた楽曲で、当時あまり触れていなかったジャンルだったので、どういうふうに歌おうか、模索しました。

近藤:ライブで歌った時は煽り倒していたんですけど、レコーディングでそれをするわけにはいかなかったので、表現を変えました。歌割りもライブとアルバムでは少し違うので、今回全部新しく録り下ろしました。

木村:2人が参加するというのは今回の目玉ですよね。それまではコーラスとして参加していたのが、4人平等になってより一致団結する。しかも2人とも踊れて歌えちゃうので、本当に心強いです。

広瀬:僕は最初にレコーディングすることが多かったので、後から完成した曲を聴くと全然雰囲気が変わっていて驚きました。例えば「4-ROAR」は曲調がかっこよくてノリノリな曲で、僕が主線を歌っているんですが、他の3人の低音やラップパートが入ることで、厚みが出るというか。曲自体の圧がぐんと増した感じがします。

――今回はペアでの曲も入っていますね。悠と巳波のデュエット曲である「Unbalance Shadow」はいかがでしたか?

西山:この曲は難しかったですね。特に最初は音数が少なくて、歌声で聴かせる部分もあったので、〈孤独の中 彷徨ってた〜〉からの4行のパートはずっと家で家事などをしながら歌ってました。悠と一緒に歌った曲ですけど、これまでならメインボーカルでもある悠から入るところが、この曲は巳波からはじまるというのも挑戦だなと思いました。

広瀬:確かに難しいと思いましたけど、レコーディングが宏太朗さんの後だったので、僕は歌いやすかったですね。トウマ&虎於の曲(「Drift driving」)に対して、「Unbalance Shadow」は悠と巳波らしさが出ているのもいいと思います。男としてガツガツいくトウマ&虎於に対して、僕らはしっとり歌い上げるというか。

西山:巳波は感情がそこまで見えるタイプじゃないのに対して、悠は感情が表に出るタイプなので、曲が出来上がった時、悠の情熱がすごく1フレーズごとに伝わってきて。曲は「Unbalance Shadow」ですけど、そこはアンバランスではありませんでした(笑)。

――トウマと虎於による「Drift driving」はいかがでしょう?

木村:この曲はエレクトロヒップホップで、エレクトロサウンドでラップするというのが、歌っていてとても楽しかったです。めまぐるしくマイクリレーしていくところも聴き応えありますし、トウマと虎於の立ち止まらずに走り続けるかっこよさを感じます。ŹOOĻの中でトウマはラップパートを担当することが多かったですが、デュエットというのが楽しかったですし、虎於もこういう曲を歌うことができるんだ、と。

近藤:入れ替わり立ち替わりのラップの応酬が肝だと思うので、トウマに負けないようにというのは意識しました。昴が先にレコーディングしていたので、僕はそこに合わせて乗っかっていく形でやらせてもらいました。

西山:近藤さんは初めてのラップだったんですよね? 全然そんな感じがしない熱量でした。

近藤:それは木村 昴という一番の教科書が隣にいたから、なんにも心配することはなかった。せめぎ合う感じが出るとおもしろいと思うので、彼のラップを参考にした部分もありますし、逆につっぱねた部分もありますね。でもマウントを取り合ってるわけではなくて、どちらかというとライブでオーディエンスを煽り倒してやりたいという思いが強かったです。この曲、早くライブでドリフトさせたいですね。

――この曲も含め、全体的にライブが思い浮かぶようなアルバムだなと感じました。

近藤:確かに。前山田健一さんに作っていただいた「ササゲロ -You Are Mine-」は、まさにライブでのコールアンドレスポンスが想像できますよね。ファンが望んでることや、やりたいことを理解して表現しているのがさすがだなと思いました。

広瀬:「ササゲロ -You Are Mine-」は、ŹOOĻっぽくあるようでないというか。最初はどうやってアプローチしていこうか試行錯誤しましたね。悠は〈「もっと見せろよ」〉っていうセリフがあるんですが、ここは何度も録り直した記憶があります。

木村:「ササゲロ -You Are Mine-」はŹOOĻのパワフルさみたいなものが、こういう感じでも出せるのかと新発見でしたね。初めて聴いた時は恥じらいがあったんですが、トウマを思い浮かべたら全然アリだなと思って、ノリノリで歌えました。ライブでのファンの皆さんの顔を想像しながら歌ったんですけど、「きゃー!」って盛り上がってほしいなと思います。コールアンドレスポンスの部分も、日本語がわからない人でも盛り上がれそうですし。

西山:この曲はアガりますよね。何回聞いても、虎於の〈「俺は重いぜ?」〉で「キャッ!」てなっちゃう(笑)

近藤:巳波の〈愛してるから〉もすごいから(笑)。巳波はこうやってファンの心を射止めていくんだなって。

西山:〈You are mine〉から〈ぶっ壊れるほど愛してんのに〉までの部分がすごく好きなんですよ。この部分が大好き。4人のいいところがすごく出てる。悠の憑依しきっている感じとか。

近藤:今まで圧倒的に強くて、他をなぎ倒すような感じだったŹOOĻが、急に求めてくる感じになるのがすごく面白い。

西山:求めてるんですけど、「これが俺たちだぞ、だからついてこい」みたいな。不思議ですよね、メンヘラっぽい感じなのに俺様口調、みたいな。

近藤:こういう世界観はŹOOĻにしか出せないよね。

木村:確かに「ササゲロ -You Are Mine-」のような曲をIDOLiSH7が歌ったら、ちょっと違いますよね。でも、七瀬 陸が〈「僕は重いぜ」〉と言っても面白そうだし、いつかそれぞれのグループ曲のカバー企画みたいなものがあったら歌ってほしいですね。

木村「アルバムが出るということは、ŹOOĻを受け入れてもらえた一つの証」

――続く「Ache」は打って変わったバラードで、ŹOOĻにとっては今までにない楽曲ですね。作編曲はJeff MiyaharaとKuraaki Horiさんが担当しています。

広瀬:めちゃくちゃ難しかったですね。聴かせるところとŹOOĻらしさを出すところ、その両方を織り交ぜる必要があって、キーも高かった。レコーディングの現場でまずキーをどこにするかから時間をかけて決めました。レコーディングの時、作詞された結城アイラさんもいらっしゃっていたので、直接指導を受けたりして、貴重な機会をいただきました。普段の現場と違って、ディレクターさん2人体制だったので、「これでいいか」ではなく、「もう一回やろう」というふうに、曲をより深く追求して、がっつり作り込んでいきましたね。

近藤:キーが高いし、かつ勢いで処理できないので、感情的にも音楽的にもきちんと受け止めたものを丁寧に出さないと通用しない曲でした。今までのŹOOĻの曲は勢いが大切だったのが、ここでは丁寧にやらなきゃ! と。

西山:言葉に気持ちを込めることがすごく大切な曲ですよね。巳波が作っていると思うと特に、彼の人間らしくて泥臭いところがちゃんと感じ取れるなと思いました。

広瀬:「Ache」はアルバムの中でも他と違った雰囲気があって、胸に染みる歌詞が多いと思います。今のŹOOĻを想像しながら聴くと、いろんなことが思い返されます。

――ŹOOĻの楽曲を歌う際、歌い方で意識していることはありますか?

広瀬:最初に発表された「Poisonous Gangster」や「LOOK AT…」では、「俺を見てくれ!」「俺だ!」という荒々しさとか、良い意味での純粋さを出していたんですが、そのスタンスは今もあまり変わってないですね。悠は素直なわかりやすいキャラクターなので、変にこねくり回したり綺麗に聴かせようというより、純粋に思ってることをぶつけていくというアプローチが多いです。

木村:僕は、例えば「Poisonous Gangster」だったら、ガッツというか、相手をひきずり下ろすようなパワーみたいなものが必要でした。歌詞でいうと〈ド派手に暴れまわろうぜ〉の部分のような感じ。ただ歌うだけじゃなく、ストーリーの中での気持ちもあるので、トウマが今どういう感情なのかを尊重しましたね。

西山:僕は家で練習するときはŹOOĻの画像を出して、それを鏡のようにして見ます。どのくらいの高音だったらどれくらい眉をひそめるんだろうと想像したり、MVを想像したりしますね。自分の中のイメージがリンクしているといいなと。

近藤:僕はライブを想像するんですが、確かに映像でイメージできるものというのはありますね。ŹOOĻの曲は難しい曲が多くて、キーも高かったりするから意外と低音が足りなかったりしたんです。だから低音を足した方がいいかなと思い、そこに力を入れていました。あとは演出的に、僕はパフォーマーなのであくまでもメインボーカルの悠とトウマが目立つようにっていうのは考えましたね。

――ちなみに『einsatZ』のジャケットや、新しいアーティスト写真などをご覧になっていかがですか?

西山:豪華盤が思ったより大きいし、肌触りがいい。このまま部屋に飾りたいですね。おしゃれー!

木村:まさにŹOOĻ! って感じ(笑)。モノクロでハードな雰囲気も、他のグループと違っていていいですよね。

広瀬:キービジュアルなどで『アイナナ』のグループ全員が並ぶ時、昔はいなかったŹOOĻが今は当たり前に入っているのを見ると嬉しくなりますね! 『アイナナ』の世界観にちゃんといるんだなと実感します。

近藤:アーティスト写真は、僕はまず「白い」って思いましたね。今まで黒とかがメインカラーで、白はキャラクターの差し色程度でしたが、がっつり白っていうイメージはなかったので。アルバムタイトルも、ジャケットを見ると(文字が)逆さなんですね。Zが頭にくるようになってる。

――全体を通して、どんなアルバムになったと思いますか?

木村:これまでŹOOĻを応援してくださったファンの皆さんにとっては「待ってました!」な一枚だと思いますし、初めてŹOOĻを聴く人には、これでŹOOĻの全貌が見えてくるんではないかと。シンプルに音楽として聴き応えがあるし、日本語がわからない人でもかっこいいなと思って聞けるアルバムだと思うので、世界中の人に届いたらいいなと思いますね。僕にとって自慢の一枚です。

広瀬:どの曲もリード曲になるようなアルバムなので、全部しっかり聴いてほしいですね。単に『アイナナ』という作品の中の一つの作品ではなく、一組のアーティストとしてのアルバムだと思うし、それを求められているとも思うので、こっちもその期待に応えたいと思って歌いました。

近藤:そうそうたるクリエイターの方の手による、珠玉の一枚だと思います。僕達も精魂込めて歌わせてもらいましたし、できれば最初は1曲目から最後まで飛ばさず、シャッフルもせずに味わっていただきたいなと思いますね。

西山:「これがŹOOĻだ!」と言えるアルバムになっていると思います。これを聞いて街を歩いたら強い気持ちになれますよ。胸を張って歩ける自分にしてくれる、背中を押してくれるような一枚になってると思うので、朝から聴いちゃいましょう!

――では最後に、ŹOOĻとして今後目指したい展望はありますか?

広瀬:やっとまとまってきたというか、やりたいことが見つかってきたと思うので、まずはよりいいパフォーマンスをして、また『BLACK OR WHITE』(『アイナナ』における恒例イベント)に挑戦していきたいですね。

近藤:ŹOOĻの進撃はこれで終わりませんし、もっともっと攻めていきたいと僕も思っています。ŹOOĻは一つの雪解けを迎えたところもあると思うので、その分もっと攻撃的に、泥臭くあがくような4人であり続けたいと思っています。

西山:純粋にこの先のŹOOĻが見てみたいなと思いますね。どんな歌を歌うんだろう、どんな衣装を着るんだろう、どんなMV、ライブを見せてくれるんだろう。このアルバムが出たからこそ、さらに次が気になります。

木村:認めてもらいたくてやっていたグループなので、やっぱり認めてもらいたいなと思いますし、アルバムが出るということは、ŹOOĻを受け入れてもらえた一つの証だと思っています。そういう意味では、アルバムが出たのは嬉しいですし、ŹOOĻとしていつかワンマンライブができるような人気者になっていきたいですね。

■満島エリオ
ライター。 音楽を中心に漫画、アニメ、小説等のエンタメ系記事を執筆。rockinon.comなどに寄稿。満島エリオ Twitter(@erio0129

■リリース情報
ŹOOĻ
1st Album『einsatZ』
2020月11月25日(水)発売
ŹOOĻ [亥清 悠(CV.広瀬裕也)、狗丸トウマ(CV.木村 昴)、棗 巳波(CV.西山宏太朗)、御堂虎於(CV.近藤 隆)]

<商品仕様>
【豪華盤】LACA-35841 / 7.700円(税込)
・CD(新曲含む全11曲収録)
・撮り下ろしフォトブック ※豪華盤・初回限定盤 共通
・収納BOX(撮り下ろしジャケット)
・『アイドリッシュセブン 5th Anniversary Event “/BEGINNING NEXT”』最速先行抽選申込券封入
※「シリアルNo.」1つにつき各公演1枚ずつ申込可能

【初回限定盤】LACA-35842 / 3,850円(税込)
・CD(新曲含む全11曲収録)
・撮り下ろしフォトブック ※豪華盤・初回限定盤 共通
・三方背スリーブケース
・『アイドリッシュセブン 5th Anniversary Event “/BEGINNING NEXT”』最速先行抽選申込券封入
 ※「シリアルNo.」1つにつきいずれか1公演のみ1枚申込可能
・オリジナルグッズ(レザーブレスレット、マスクカバー、マルチポーチ)

【通常盤】LACA-15842 / 3,300円(税込)
・CD(新曲含む全11曲収録)
・『アイドリッシュセブン 5th Anniversary Event “/BEGINNING NEXT”』最速先行抽選申込券封入
※「シリアルNo.」1つにつきいずれか1公演のみ1枚申込可能

<CD>
01. Generalpause (Instrumental)
作曲・編曲:JUVENILE
02. 4-ROAR
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:JUVENILE
03. ZONE OF OVERLAP
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:YASUSHI WATANABE
04. LOOK AT… -Album Edition-
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:中土智博
05. Unbalance Shadow / 亥清 悠 (CV.広瀬裕也)、棗 巳波 (CV.西山宏太朗)
作詞:浦島健太 作曲・編曲:徳田光希
06. Drift driving / 狗丸トウマ (CV.木村 昴)、御堂虎於 (CV.近藤 隆)
作詞:RYUICHI (OOPARTZ) 作曲・編曲:中土智博
07. ササゲロ -You Are Mine-
作詞・作曲・編曲:前山田健一
08. Ache
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:Jeff Miyahara・Kuraaki Hori
09. Poisonous Gangster -Album Edition-
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:MEG.ME
10. Bang!Bang!Bang!
作詞:浦島健太 作曲・編曲:徳田光希
11. Attacca (Instrumental)
作曲・編曲:JUVENILE

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©アイドリッシュセブン CD:Arina Tanemura

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