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欅坂46 小林由依、知れば知るほどハマる魅力 観る者を惹きつける演技力、多趣味な一面から考える

リアルサウンド

20/6/24(水) 6:00

 近頃リモートでの収録が続いている『欅って、書けない?』(テレビ東京)。その中で新鮮だったのが、オンエアでカットされた場面を流していたところだ。それが小林由依が考えた2期生のキャッチコピーのコーナーである。メンバーそれぞれの特徴がよく出ていて、後輩のことをよく見ている印象を受けた。

(関連:欅坂46 小林由依 『彼女の愛情 または彼女は如何にして愛することを諦めその感情と訣別したか』視聴

 しかし振り返ってみれば、今年の「バレンタイン回」でロッカーに貼られていたステッカーがあまりにも個性がないと指摘されていたように、制作スタッフでさえ彼女のことをよく掴めていない現状がある。たしかに彼女は、菅井友香の”お嬢様”や、守屋茜の”軍曹”のようなわかりやすいキャラクター性を持っているわけではない。だが、だからこそ知れば知るほどハマってしまう魅力が彼女にはあるように思う。今回は、そんな小林に焦点を当ててみたい。

●観る者を惹きつける演技力
 小林由依は、1999年生まれの埼玉県出身。ファッション誌『with』の専属モデルを務め、『GirlsAward』や『東京ガールズコレクション』にこれまで何度も出演してきた。昨年には初ソロ写真集『感情の構図』(KADOKAWA)を発売。一方で、舞台『ザンビ』への出演や、最近では『女子高生の無駄づかい』(テレビ朝日)にも出演し、今年秋には西加奈子原作の映画『さくら』にも出演予定だ(オーディションから受けたそうだ!)。このようにモデル業や俳優業で着々と注目を集め始めている彼女。そんな中でも第一に注目すべきは、その演技力だろう。

 2017年に発売された『不協和音』のType-Aに収録された個人PVを見てほしい。「彼女の愛情 または彼女は如何にして愛することを諦めその感情と訣別したか」と題された小林のPVは、①監督との事前の打ち合わせは一切しない、②与えられた脚本は1615文字。それをミスなく演じ切る、③ラストの台詞は空白。物語を自らの言葉で完結させる、という3つのルールのもと撮られたPVだという。

 この作品における彼女の演技力は目を見張るものがある。細かな表情や声色の変化のさせ方、間の取り方、抑揚……端的に言って惹きつけられる。そして何よりも、ラストの空白部分で放ったひと言が素晴らしい。まさに女優、小林由依の大器の片鱗をうかがわせる映像だ。つい先日も、番組の“早泣き”対決で他者を寄せ付けないスピードで涙を流し勝利していたが、彼女のその演技力の高さは、今後のソロ活動でも存分に活かされることだろう。

●多才で多趣味なインドア派
そんな彼女は、かねてよりインドア派を公言している。

「休日は、録り溜めたドラマを何本も観ていたらいつの間にか時間が過ぎています」

「家では何時間もドラマを観たり、ギターを弾いたりしています」

「買い物も通販が多いので、外出は映画を観るときくらい」(参照:https://withonline.jp/lifestyle/life-news/6KRbG)

 といったように、そのレベルは筋金入り。そしてユニット“ゆいちゃんず”でギターを使ったり、ドラマ『残酷な観客達』(日本テレビ)では小林がサックスを吹くシーンが印象的に使われるなど、その趣味はしっかりと芸能活動にも活かされている。さらに、番組のカラオケ企画で歌唱力が注目されたり、手作りケーキを披露したりなど、多才で多趣味なメンバーと言えるだろう。

●平手友梨奈との比較
 グループの楽曲では前列に選ばれることが多く、2018年の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)では平手友梨奈に代わりセンターにも立っている。重要なポジションを任されることが多いため、次期センターとも噂されるメンバーのひとりだ。平手と自分自身の違いについて、彼女は以下のように語っている。

「平手は『不協和音』だったら『不協和音』の世界に入り込んで、そこから出られなくなっちゃうわけじゃないですか。でも、そこまでそこに入れるっていうのはすごいことだと思うんです。私はたぶん一歩手前までしか行けてない。だから笑顔の曲とかも全部対応できるという部分もあるけど、それだと軽く見えちゃうのかなって思ったりもして……」(『BRODY 2018 FEBRUARY』より)

 平手のことを理解しつつ、自分自身の強みと弱みを鋭く分析している。”軽く見えちゃう”というのは、器用さゆえの避けられない部分だろう。

 彼女はこれまでも「サイレントマジョリティー」のようなメッセージ性の強い楽曲から、「風に吹かれても」のような笑顔で踊る曲まで、多くの楽曲で代理センターを務めてきた。さまざまな楽曲に馴染めるその柔軟な魅力は、彼女の高い演技力があってこその賜物だ。

 冒頭で触れたように、彼女のキャラクター性には表面的なキャッチーさはないかもしれない。そもそも“イメージの人”とも思えない。ある特定のイメージを持たないことで、臨機応変な魅力を獲得している。いわば、したたかな実力派。見せかけではない確かな力でグループを牽引してほしい。(荻原梓)

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