今は「イケメン」と言う。かつては「二枚目」や「ハンサム」と呼んだ。映画には時代ごとに「いい男」がいた。だが、今の若い人たちに石原裕次郎の姿を見せてもピンと来ない人が多い。日活アクションのスターたちの写真だけを並べれば、かなり多くの人は、赤木圭一郎の顔を指さす。赤木は現代の「イケメン」観にも合いそうだから納得もするが、その尽きせぬ魅力はこれまた別の話である。 間違いなく、終戦後の10年をようやく生き抜いた日本人は、男も女も熱狂的に裕次郎を求めた。だが小樽の石原裕次...

18/8/18(土)