ヒロインの職業は交渉人（ネゴシエーター）である。交渉人とは、人質救出作戦などにおいて犯人との交渉を担当する警察官や政府関係者をいう。演じるのは、『ラブストーリー』（2002）、『私の頭の中の消しゴム』（2004）、『四月の雪』（2005）での可憐な女性役が印象深いソン・イェジンだ。ここでは一転、アメリカ仕込みの凄腕キャリアウーマンとして活躍する。 手がけるのは前代未聞の事案だ。タイで韓国人記者らを拘束した犯人が、交渉相手に彼女を指名する。犯人が人質を取った動機も目的も解放条件も皆目不明、しかも、交渉はインターネットを通した画像によって行わなければならない。そして事態は二転三転、思いもよらない展開に息を呑む。それにしても、過剰とさえ思えるほどの工夫を凝らし、とことん観客を驚かそうとするサービス精神には感心してしまう。だから、韓国映画は面白い。

19/8/26(月)