まさかの衝撃！　ギャグ満載！　そして、お約束の涙。ディズニー／ピクサーの人気シリーズなのでハズレなしと踏んでいたら、作品のテイストがガラリと様変わり。 それもそのはずで、今までこのシリーズに欠かせない存在だったジョン・ラセターからまた新たなチーム編成で生み出されたから。けれど、重要な脚本パートには、1作目からずっと参加しているアンドリュー・スタントンがいるし、同じくシリーズにずっと参加し、『トイ・ストーリー3』を監督したリー・アンクリッチもいるので映画が持つ“トイ”の温もりや個性は変わらないのですよ。 何より変化したのは、シリーズで1番、リリカルな感情表現。ウッディの使命感への依存だったり、はたまたポジティブでいようと振る舞うところや、新キャラでアンティークショップに住むドールのギャビー・ギャビーが抱える深刻な悩みだったりと、とことん“心の声”に焦点を当てているところ。それは監督をジョシュ・クーリーが務めたことも多大に影響しているだろうし、なぜならこの監督は女の子の脳の中の感情を描いた『インサイド・ヘッド』の脚本で注目された人と言えば、誰もが納得するんじゃないでしょうか？ こちらとしては、幼い娘がお気に入りの人形しか見えなくなる心理や、保育園へ行くことに抵抗がある姿もリアルで、そこに大人ならではの「現実を認めると辛くなるから、ときには心の声を聞かない」という心理まで描かれているので、ひとごとに思えなくなってくる始末。 しかもディズニーはやっぱりすごいのよ、存在価値について執着してしまうのが古くに作られたベテラン人形という設定なんだから！　だから人形に感情移入するのが、オ・ト・ナ、の私たちなわけです。しっかり大人が楽しめるように、恋愛パートもあり、今の時代を考えた女性がリードする物語にまでなっているなんて。この映画が世界的にヒットしている理由は、子供はもちろん、大人が感涙するストーリー設定になったからに違いないのです。

19/7/8(月)