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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

ザ・ピーナッツバター・ファルコン

“無理なんてものは何ひとつない” すがすがしい涙と共に、この言葉が頭に浮かんだんです。 この映画で念願の俳優デビューを果たしたザック・ゴッツァーゲンはダウン症。そう、映画の主人公は養護施設で暮らすダウン症の青年であり、憧れの悪玉プロレスラーの養成学校に入るのが夢という設定。 劇中、ザックと兄弟のような関係になっていくシャイア・ラブーフが、意地悪な言葉ばかりを浴びせられてきたザックに言うセリフが、この映画のテーマを伝えています。 「人は生まれた時点、魂の時点で、悪玉か善玉かが決まっている。お前は善玉だから悪玉プロレスラーになんかなれない。ヒーローになるんだ」 ダウン症だからできないなんて間違っている。悪意ある人の言葉なんて信じてはいけない。 あなたの応援者の言葉を胸に、恐れずに思いっきり夢に向かって飛び込んでいくこと。 そんなメッセージが詰まった映画が生まれるきっかけも、俳優を夢見たザックの為に無名の監督ふたりが書き上げた脚本が『リトル・ミス・サンシャイン』のプロデューサー陣の目に留まったのだから。 パンツ1枚で世界に飛び出した世の中を知らないザックが、ひとりの男性と出会い、彼から生きる術を学ぶと同時に服を与えられ、怒りの感情も外に出すことを学ぶ姿に、涙を流さずにいられるでしょうか。 世の中、悪玉の魂を持ち合わせた人もいるけれど、必ず、善玉の魂を持った人はいて、誰かを幸せにしようとしてくれる。 そして、そんな思いやりがこの映画の核となっているのだから、美しい映画に決まってるんですよぉ!

20/2/3(月)

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