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水先案内人のおすすめ

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洋画、邦画、時々アニメ 映画で人生が変わります

堀 晃和

ライター&エディター。記者歴27年、元産経新聞文化部長。映画と音楽と酒文化が守備範囲。

Away

登場人物はたった1人だけ。しかも、セリフは一切ない。極めて独創的なアニメーションだ。 1994年生まれのラトビアの新星、ギンツ・ジルバロディスの長編デビュー作。監督・制作・編集・音楽の全てを担当し、3年半をかけてたった1人で作り上げた。伝統ある仏アヌシー国際アニメーション映画祭では、昨年新設された実験的で革新的な長編が対象のコントルシャン賞に輝いた。今年の米アカデミー賞では、長編アニメーション部門の最終候補に残っている。 物語はとてもシンプルだ。飛行機事故で生き残った青年がパラシュートで降り立った島で地図を見つけ、オートバイを駆って街を目指す。冒頭から青年は、目が光る黒い影のような人型の巨大な怪物に追いかけられる。途中で飛べない黄色い小鳥が相棒となり、ネコやカメなどの生き物とも遭遇しながら、ひたすら前に向かって進む。 青年は何者なのか、怪物の正体は。セリフやナレーションでの説明がないまま展開する構成が想像を自由に膨らませ、観る者を画面に引き込んでいく。 見せ場は中盤にある。追ってくる怪物を谷底に落とそうと、青年は待ち構える。その時、小鳥は…。スリルと爽快感を同軸で描いたシーンを堪能してほしい。

20/12/9(水)

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