韓国ではフェミニズムブームで、女性監督や女性が主人公の、女性の視点を生かした作品が百花繚乱である。95年の韓国を舞台に、高卒女性の仕事への奮闘を描いた作品といえば、『サニー 永遠の仲間たち』のような懐メロが効いた女の友情ものかと一見思う。だが蓋を開けてみると公害問題や内部告発など社会派の題材を盛り込んだ骨太な作品だった。 実際に91年に起きた水質汚染事件がモデルとなっていて、本作のジャヨンにもモデルが存在するとのこと。ジャヨン・ユナ・ボラムの3人がそれぞれのやり方で会社の不正や女性差別と闘い、最後は勝利を収める様がこのうえない感動を呼ぶだけでなく、韓国の近現代史を肌で感じることのできる作品となっている。

21/6/26(土)