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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

ミッドナイト・ファミリー

メキシコシティの人口は900万人。なのに公共の救急車は45台未満。そうなると命は救えないし、新しい仕事が生まれる。それが闇救急車。 サンダンス映画祭米国ドキュメンタリー特別審査員賞受賞、米アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ショートリスト出演というのも納得の結果。 それはカメラが捉えているオチョア家族は、多くの命を救いたいと思いながら、ボランティアで救命活動をしているわけではなく、救命士の資格も持っていないし、車内には十分な装備もない状況。中盤、搬送するも命を落とした子供の母親に、搬送料を請求するシーンも映し出されるのだから。 彼らも生きていくためにこの仕事を選び、失いたくないと思っている。公共の救急車だけでは命を救えないから、闇救急車という仕事が生まれ、彼らは救助した人々に料金を請求し、それを見つけた警察が賄賂を請求するという構図。“命がお金で取引される”社会を生み出したのは誰なのか? この状況でどうすることが最善なのか? 自分がその場にいたらどう生きていくのだろうか? 考えずにはいられない。

21/1/12(火)

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