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「クラシックソムリエ検定」編集長にしてピアノのスペシャリスト
高坂 はる香
音楽ライター
ヴァディム・ホロデンコ ピアノ・リサイタル
19/6/11(火)
豊洲シビックセンターホール
ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝という輝かしい経歴を持ち、しかしその音楽にには、どこかシブく味わい深い魅力があるホロデンコさん。今度の公演で演奏するのは、彼のピアノでぜひ聴いてみたいと思えるプログラムです。 スクリャービンのソナタ第6番、プロコフィエフのソナタ第6番「戦争ソナタ」といった作品では、ロシアン・ピアニズムを継承するピアニストならではの表現で、陽と陰が混在する近代ロシア音楽の魅力を届けてくれるでしょう。そして楽しみなのは、ゴドフスキの「ショパンのエチュードによる53の練習曲」。ただでさえ技巧的なショパンのエチュードが、原曲の数倍も難しくアレンジされているこの作品は、なかなか演奏機会がありません。10本指で弾いているとは信じがたいような複雑な音の絡み合いを、ホロデンコさんがその超絶テクニックで聴かせてくれるでしょう。 ピアノは、豊洲シビックセンターホール常設のファツィオリ。楽器の音色もあわせて楽しみな公演です。
19/6/3(月)