デジタル時代になったとはいえ書籍の愛好家は世界中に数多くいる。なかでも稀覯本、つまり希少な価値を有する書籍への欲望は衰えることがないようだ。四半世紀前のオークションでレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿がビル・ゲイツによって2800万ドルで落札されたことを、このドキュメンタリーで知った。そんな書籍の魅力を、ブックセラーやブックコレクターなどを中心に描いている。ニューヨークのブックフェアの裏側、老舗書店のオーナー、あるいはさまざまなジャンルの専門書のディーラー、さらには女性ブックセラーやディーラーが男性中心の世界に入った頃の偏見や苦労など、書籍の取引や書店をめぐる裏話や歴史的エピソードが次々と描かれ、本好きならワクワクするほど堪らない世界である。

21/4/12(月)