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歯に衣着せない辛口コメントが人気のクラシック業界ご意見番

東条 碩夫

音楽評論家

都響スペシャル2021(2/20)

当初予定のプログラムはマーラーの第2交響曲「復活」だったのだが、巨大な混声合唱を伴うこの大交響曲の演奏は、飛沫感染防止などの理由から、惜しくも中止となった。だが、音楽監督・大野和士と都響が選んだ代替プログラムは、次のようにすこぶる魅力的である。 まず、マーラーの交響曲の中では短い(とはいえ50分かかる!)、かつ抒情的な曲想を持った「第4交響曲」。特に第3楽章の美しさは抜群である。第4楽章には天国の喜びを歌うソプラノ独唱(中村恵理)が入る。 もう1曲は、ブラームスの憂愁美が余すところなく発揮された「アルト・ラプソディ」で、アルト独唱(藤村実穂子)と小編成の男声合唱(新国立劇場合唱団)が溶け合うくだりは陶酔的に美しい。声楽陣はいずれも「復活」を歌う予定だった人たちだ。 というわけで、プログラムは変われど演奏者の顔ぶれは同じ(うまくできている)。円熟の巨匠、大野和士が都響と創る素晴しい演奏を聴いてみよう。

21/2/13(土)

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