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「名画座かんぺ」発行人による極私的旧作邦画オススメ

のむみち

名画座かんぺ発行人

添えもの映画百花繚乱 SPパラダイス[2019]

『鳩』(6/16~18) ラピュタ阿佐ヶ谷 特集「添えもの映画百花繚乱 SPパラダイス!![2019]」(5/26~7/27)で上映。 後に『張込み』を始め、社会派ミステリーもので名を成した野村芳太郎の監督デビュー作です。動物好きな少年・勇(石浜朗)は同級生の一郎から伝書鳩を譲ってもらうが、なかなか馴れてくれず、一郎の父親(北龍二)から親鳩を借りるが、猫に殺されてしまい……。 主役は、デビュー翌年の石浜朗。相手役に石浜と同年デビューした小園蓉子。前年にデビュー作の『少年期』で見事な初主演を飾った石浜が、初々しいながらもさすがの演技。鳩が飼えることになった喜び、嵐の中、外の鳩が心配でいても立ってもいられない様、大切な借り物の鳩を猫に殺されてしまった悲しみなどの感情をみずみずしく表現しています。猫好きとしては、猫が悪者で悲しいですが……。 エンディングも爽やかな、佳編です。つまり、今回この3日間の組み合わせは、松竹で活躍した小林正樹と野村芳太郎という2人の名匠(2人とも1941年松竹入社の同期)のデビュー作(そしてキャストは奇しくも両作共石浜朗と小園蓉子、と北龍二)が楽しめる粋な編成となっている訳です。かつそれらを国立映画アーカイブの美しいプリントで楽しめるこの機会を、どうぞお見逃しなく!

19/6/9(日)

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