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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

氷上の王、ジョン・カリー

アイススケートの世界には、とんと疎いので、ジョン・カリーの存在も恥ずかしながら殆ど知らず、この映画を観て勉強になりました。何しろ劇映画かと思って観に行ったら、ドキュメンタリーだったので、なおさら門外漢であることが身に沁みます。 バレエのメソッドを取り入れた演技で、76年インスブルック冬季五輪フィギュアスケート男子金メダルを獲得した以上に、映画で重点が置かれているのは、同性愛が公的に差別されていた時代にゲイであることを公表した事実で、さらにAIDSに蝕まれ、追いつめられていく過程をも、きちんと描き、等身大のジョン・カリーが掘り下げられている。 英国人俳優アラン・ベイツが、カリーと2年間恋人関係にあり、カリーはベイツの腕の中で息を引き取ったことも知り驚いた。映画史には、まだまだ知られざる事実がありますね。私が知らなかった、だけか。

19/5/28(火)

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