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水先案内人のおすすめ

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一度逃したら再び観る機会がないかもしれない、ちいさな芝居を中心に

釣木 文恵

演劇ライター

明日のアー 『最高のアー』

「デイリーポータルZ」などでライターとして活動している大北栄人が、その延長のような雰囲気でふいに立ち上げたコントユニット「明日のアー」。いつの間にやら見逃せない団体になっていた。 初期の頃の公演を観たことがある。そのときは笑いつつも、演技に慣れない役者たちの拙さを楽しむという工程が、正直なところ面倒に思えてしまっていた。 けれども、昨年大北が書き下ろした昇吾と純子『Last Scene』がかなり見応えのある作品だった。今年5月の『テアトロコント』に明日のアー名義で登場した際、高木珠里、笠木泉、中島愛子が出演した短編がこれまたたいへんな傑作だった。 第5回の本公演となる『最高のアー』では、出演者にミュージシャンやイラストレーターなど、役者を本業としない者たちが多く並ぶ。けれど心配はない。それは作り手の変化ということではなく、受け取る自分の感じ方が変わったからだと思う。きっちりと面白い作品を観たから、大北作品に対して信頼をおいている。一旦そう思えば、ライター仕事から変わらず面白いことを作って披露している人なのだな、とわかる。 どう面白いのか、結局まったく説明できていないけれど、試しに観てみてほしいとしか言いようがない。今回はゲストに石川浩司が登場するという。これだけ多ジャンルのキャストがいっしょに立って、ひとつのシーンが描かれるということ自体、ちょっと他では観られないものであることは確かだ。

19/10/27(日)

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