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木谷 節子

アートライター

企画展「きらきらでん(螺鈿)」

貝の輝く真珠層を切り抜き、様々な文様で装飾する螺鈿(らでん)細工。このキラキラと美しい工芸品を、日本における需要と展開を紹介しながら、影響関係にあった東アジアの螺鈿細工も同時に紹介する展覧会だ。絵画を描くようにあらゆるモチーフを螺鈿で表現する中国大陸に、有機的な文様が美しい朝鮮半島、そして素朴な味わいの琉球とそれぞれ特徴はあるものの、江戸時代以降独自の発展を遂げた螺鈿細工もまたユニークだ。画面を全て螺鈿のモチーフで覆い尽くす大陸とは違い、日本は蒔絵の中で「ここぞ!」という箇所にピンポイントで使うことが多いという。たとえば江戸時代中期の漆芸家で俳人でもあった小川破笠の《芙容打出硯箱》。竹の先に止まったトンボの羽だけに螺鈿を使い、あたかも羽が太陽に照らされてキラキラ光っているような効果が抜群! なんとも粋で瀟洒な作品でございました。

21/1/15(金)

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