水先案内で書いた『ビーチ・バム まじめに不真面目』と対極にあるのが『ＳＮＳ-少女たちの10日間-』。 巨大な撮影スタジオに3つの異なる子供部屋を作り、そこに押さない顔立ちの女優が“12歳女子”という設定の下、SNSで“友達募集”をしたところ、何と10日間で2458名の成人男性がコンタクトを取り、撮影されているとは気づかずに容赦ない欲望の行動をエスカレートしていくのをとらえたドキュメンタリーだが、観ているうちに胸クソが悪くなっていき、世の中ってこんなに“病気の人”が多いという現実に言葉を失ってしまう。 児童への性的搾取の実態を描いて、SNSと常に接するジェネレーションZ世代やその親たちに響き、本国チェコで異例の大ヒットを記録し、実際の犯罪の証拠としてチェコ警察を動かしたというのも納得できる。これも映画のひとつのあり方かつ効用かも知れない。

21/4/22(木)