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ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる

村山 匡一郎

映画評論家、大学講師

ダ・ヴィンチは誰に微笑む

現代ではアート作品は制作された時代に関わりなく、投機の対象となり、市場価格が高額になるケースが多い。そんな状況下で埋もれた作品が出てきたらどうなるか。2017年にダ・ヴィンチ作といわれる『サルバトール・ムンディ』という絵画がオークションで510億円という高額で落札された。この「男性版モナ・リザ」と称される絵画は、ダ・ヴィンチ最後の作品といわれるが、20世紀に陽の目を見てから真贋がつねに問われてきた。2005年にアメリカの美術商が13万円ほどで購入したが、その後、真作と結論づけられ、瞬く間に値を吊り上げた。その作品を落札したのは誰か。そんなミステリーにも似た実話を追っていくが、本当の謎は1枚の絵画を高額で購入する現実社会のあり方にあるのではないだろうか。

21/11/25(木)

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