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演劇鑑賞年間300本、記者歴40年のベテラン
大島 幸久
演劇ジャーナリスト
『東京ゴッドファーザーズ』人を思うちから 其の弐
21/5/2(日)~21/6/18(金)
新国立劇場 小劇場、 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、 高崎芸術劇場 スタジオシアター、穂の国とよはし芸術劇場PLAT
人気長編アニメーション映画の初の舞台化だが、演出・藤田俊太郎はどんな魔術を繰り出すのだろう。元ドラァグクイーンの主人公ハナちゃんを拡じるのが松岡昌宏、元競輪選手のギンちゃんがマキタスポーツ、家出した女子高生が夏子。このホームレス3人がクリスマスの夜、新宿のゴミ溜めで見つけた赤ん坊の親探しを始める。東京中を駆け回ると、様々な事件にぶつかる。そして“奇跡の再会”を迎える物語。格差、雇用、生きがいといった現代的な問題、また、自分探しというテーマに多分、藤田は思い切った仕掛けをするだろう。「やりたい放題にやる」と公言している松岡の女装もちょっぴり期待しよう。春海四方、大石継太、池田有希子ら舞台をたっぷり経験してきた強者も個性的な芝居を披露するに違いない。
21/4/14(水)