劇団新派と聞いてどんなお芝居を思い起こすだろう。「歌舞伎ではないけれど、女方の役者が存在する」「江戸時代ではない、でも現代劇でもない。ジャンルが今ひとつわからない」「花柳界が舞台だったりして、味わい方が今ひとつわからない」と敬遠している向きもいるにちがいない。だが最近の新派はちょっと違いますよ。想像しているよりずっと親しみやすく、分かりやすくなっているんです。 歌舞伎役者の市川月乃助や市川春猿が新派へ移籍（月乃助が二代目喜多村緑郎、春猿が河合雪之丞を襲名）したこともあり、劇団自体が若返った。また泉鏡花や尾崎紅葉といった新派おなじみの作品だけではなく、ここのところ江戸川乱歩や、もっと下って横溝...

18/11/8(木)