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植草 信和
1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)
大輪の花のように 女優・山本富士子
19/5/25(土)~19/6/7(金)
シネマヴェーラ渋谷
『白鷺』(6/1〜6/6) シネマヴェーラ渋谷 特集「大輪の花のように 女優・山本富士子」(5/25〜6/7)で上映。 日本三大悲恋小説の最高峰と謳われた(そんな名作だったとは恥ずかしながら知らなかった)泉鏡花の『白鷺』を、『婦系図 湯島の白梅』の衣笠貞之助と山本富士子が再びコンビを組んで映画化した文芸大作。山本はこの年、本作と小津安二郎監督の『彼岸花』でブルーリボン賞主演女優賞を受賞。受賞理由は不明だが、本作はカンヌ国際映画祭特別表彰という賞も授けられている。 舞台は、明治末期の花柳界。山本演じる没落した料亭の一人娘が芸者となり、彼女に思いを寄せる川崎敬三扮する若き画家との悲恋物語。画家の川崎が山本をイメージして描いた“清水にたたずまう一羽の白鷺”がモチーフになり、悲恋が展開していく。 山本は泉鏡花原作の『歌行燈』『みだれ髪』のヒロインも演じていて、鏡花お得意の“花柳界もの”を体現した女優としても知られている。
19/5/31(金)