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巨匠から新鋭まで、アジア映画のうねり

紀平 重成

1948年生まれ コラムニスト(元毎日新聞記者)

THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~

すごい邦題を付けたなと最初は思いましたが、昨年の大阪アジアン映画祭で日本初上映された際のタイトルは『過ぎた春』(原題『過春天』)。家族がバラバラで孤独な高校生の少女がスマホの密輸入グループに居場所を見つけ大人になっていく姿からは、むしろ新しい邦題の方がピッタリと思いました。 主人公のペイは親友のジョーと北海道旅行を夢見ています。でも夢をかなえるにはお金が足りません。そこでジョーの彼氏のハオに頼んでスマホの密輸団に入れてもらいます。深センから香港の高校に毎日通うペイは税関で怪しまれることもなく度胸の良さもあって好成績。グループ内でも疑似家族のように可愛がられます。そんな折りハオから危険な仕事を持ち掛けられ、さらに彼との仲をジョーに疑われ……。 白雪(バイ・シュエ)監督はヒロインが毎日異なる環境を行き来するという設定にひかれたといいます。地理的な条件からビルを高く伸ばしていくしかない香港では経済格差を示すかのように上下に動くか、あるいは一国二制度の下、順法不法を問わず条件の良い方に水平移動する(またぐ)越境のダイナミズムを見事に映像化した作品と言えるでしょう。そんなことを考えさせるかのように最初は好意を寄せるハオに連れられて、2度目は反発していた母親と二人で香港の山頂から美しい街並みを見下ろす姿が印象的でした。

20/11/19(木)

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