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ホラー、ミステリー、トンデモ映画が大好物

春錵 かつら

映画ライタ―

クローブヒッチ・キラー

もし自分の家族が連続殺人鬼だったら? その小さな町は、10年前に起きた「クローブヒッチ・キラー」と呼ばれる殺人鬼による未解決の連続殺人事件を共通悲劇として、信仰や村社会を強固なものにしている。主人公である16歳の少年・タイラーも、その排他的コミュニティーの中で安穏とした人生を過ごしたはずだった。もし、たったひとつの疑念さえ生まれなければ。 「クローブヒッチ」は、船舶や登山・キャンプに携わった人には馴染みのある言葉かもしれない。「巻き結び」とも呼ばれる最もポピュラーなロープの結び方のひとつだ。本作はこの結び方を必ず犯行現場に残すシリアルキラーの通称をタイトルに冠したサスペンス・スリラー。しかし今作の本質は、“犯人捜し”にはないように思う。 家族が殺人事件の加害者や被害者という設定のドラマや映画は、これまでにも数多ある。私がいつも思いを馳せるのは、犯罪者や被害者といった当事者だけでなく、その家族についてだ。 もし身内が犯罪者や被害者なら、自分はどうするのか。そして罪や赦しは、その信仰が影響するのか否か。そこに本作の更なる愉しみがある。

21/6/5(土)

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