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夏目 深雪
著述・編集業
ベイビーティース
21/2/19(金)
新宿武蔵野館
病を抱える女子高生のミラは、ふとしたことで不良青年モーゼスに出会う。両親の反対にあいながらも彼との距離を縮めるミラだったが……。 二人の出会いのシーンから「リアルな驚き」に満ちていて驚く。二人のいざこざやラブシーンも、突発的で暴力的でありながらリアルで、かけがえのない一瞬を映し出している(モーゼスがミラを屋上に置き去りにするシーン!)。ラストシーンまで観ればラブストーリーの定型ではあるのだが、細部が常にクリシェを裏切り、最後にはそのエモーションだけが残る。監督はシャノン・マーフィ。香港、シンガポール、アフリカなどで育ちオーストラリアで活躍する新鋭で、この作品も数多くの映画祭で受賞。今後が楽しみだ。
21/2/16(火)