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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

華のスミカ

この映画を監督・企画した林隆太さんは、華人と日本人のハーフで、日本国籍ではあるが華僑四世。父、林学文さんのルーツは中国で、監督は日本で生まれ育っている。その事実を監督自身が知ったのは、15歳になった時だという。それまで自分は日本人だと思っており、マスコミの報道もあって、中国に良い印象を持っていなかった。日本映画学校(現・日本映画大学)に入学し、ドキュメンタリーを学んだ後、ドキュメンタリー番組やニュース番組の制作に携わっていたが、一枚の写真に出会って、自らのルーツを辿ることになる。カメラを片手に、自身の華族や関係者に取材するうち、思いがけない事実が明らかになるが、その過程を時にはユーモラスに、時には真摯に気負うことなく向き合う姿勢に好感が持てる。家族の歩みと、日中の歴史がクロスする実に興味深いドキュメンタリーだ。

21/8/17(火)

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