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水先案内人のおすすめ

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杉本 穂高

映画ライター

アマンダと僕

交通事故であれ、テロであれ、不幸は唐突に訪れる。残された者たちの喪失感は計り知れない。普段、ニュースで見る事件や事故、本作で取り上げられるテロで犠牲者の悲しみはいかばかりか。 本作はテロへの怒りを描かない。姉をテロで失った青年と、その姉の娘が喪失を乗り越え絆を深めていく姿に絞って描く。「君たちの気持ちは痛いほどわかるよ」などという傲慢な態度は決して取らない、カメラはふたりの様子をじっと見つめ続けるのみ。抑制の効いた演出が帰って残された者たちの感情を引き立て、気がつけば涙を流していた。 怒っても、悲しんでも失ったものは帰らない。でも、人はそれでも前を向ける。それが人の強さなのだと静かに、力強く伝える映画だ。

19/6/18(火)

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