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水先案内人のおすすめ

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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

1941 モスクワ攻防戦80年目の真実

第二次世界大戦中の1941年6月、ドイツ軍によるソビエト連邦共和国への奇襲攻撃が始まる。ヒトラーの「バルバロッサ作戦」だ。その独ソ攻防戦は、国を挙げて製作されたソ連映画『ヨーロッパの解放』(1970/全5部作/上映時間7時間48分)で過不足なく描かれた。しかし長尺すぎて日本での一挙上映は不可能、取りあえず1部2部のみの3時間5分版が公開された。だが不入りで、3部以降は陽の目をみていない。 それ以降も『白銀の戦場 スターリングラード大攻防戦』(72)、『スターリングラード』(01)、『1944 独ソ・エストニア戦線』(15)、『T-34レジェンド・オブ・ウォー』(18)など枚挙にいとまないほどこの攻防戦をテーマにした映画は作られてきた。本年2021年は「モスクワ攻防戦」から80年。そのメモリアル・イヤーに登場したのが本作『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』だ。ポドルスク歩兵学校の若き士官候補生約3,500人が、すでにヨーロッパの半分を征服した独軍の行く手を阻むために送り込まれる。現役の経験もない貧弱な若者たちの愛国心と防衛心が、独軍の侵攻を阻止。たが、約2,500人の若者が命を落とした、といわれている。 圧巻は、激戦の地イリンスコエ前線のあった地に、村、道路、橋、人工の川といったレプリカが、当時の航空写真に基づいて正確に復元されている点だ。さらに博物館に保管されている戦車、装甲車、大砲、航空機等の兵器を使用した迫力ある戦闘シーンも見どころ。監督はヴァディム・シメリェフ。

21/10/18(月)

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