『RUN／ラン』6/18公開 『クローブヒッチ・キラー』6/11公開 生まれつき慢性の病気を患い、車椅子生活を余儀なくされ、郊外の一軒家で暮らすクロエが体調や食事を管理して進学の夢も後押ししてくれている母親ダイアンの狂気の暴走と向かいあうという『RUN／ラン』は2018年の映画『Search／サーチ』の成功によって一躍、新世代スリラーの旗手となった29歳の監督アニーシュ・チャガンティがヒッチコックオマージュの原点に回帰した意欲作。信仰を重んじる小さな町の貧しくも幸せな家庭で暮らしている16歳の少年タイラーがボーイスカウトの団長も務め、町でも信頼の厚い父親ドンの小屋に忍び込んで猟奇的なポルノやポラロイド写真を見つけ、10年前に町を震撼とさせた未解決の連続殺人事件の犯人がドンなのではないかと疑い、真相を究明しようとしていくうちに思いがけない恐怖に直面する『クローブヒッチ・キラー』。監督はこちらも新鋭ダンカン・スキルズ。病んでいるアメリカを2本の映画が浮き彫りにしていて、妙にひっぱられた。万人向きではないが……。

21/6/16(水)