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Tak

美術ブロガー

トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション

激動の20世紀に70名の作家が描いた約120作品が出迎えてくれる「トライアローグ展」。100年間でこれだけ大きく美術が変容を遂げたことにまず驚かされるでしょう。そして何よりも注目なのが、とりわけ20世紀西洋美術コレクションが充実している三館(横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館)の作品が一堂に会している点です。日本国内にある公立館のコレクションだけで、これだけ見ごたえがある豊かな展示が実現できるのです。海外から作品を借りることが難しい状況の昨今ですが、国内作品を見直す契機になりそうです。 「三人寄れば文殊の知恵」と言いますが、3館のコレクションがまとめて観られることは単に3倍美味しいだけではなく、様々な化学反応を起こし10倍否100倍以上の魅力を発揮しています。例えばピカソにしても、青の時代(愛知)→新古典主義(富山)→シュルレアリスム(横浜)→キュビスム(富山)と大きく変化した作風の変遷をたどれます。20世紀西洋美術を学ぶのにこんな良い機会はありません。著作権やら何から煩く、一冊の本にするのも大変ですし、複数作品を見比べることなんて早々出来ることではありません。3者による会談(鼎談・ていだん)を意味する展覧会タイトル「トライアローグ」に因んで、章立ても3つに分けたそうです。 大きな戦争があった20世紀、また写真技術などテクノロジーも大きく発展を遂げました。2次元に3次元空間を表すそれまでの絵画から、実に様々なアートが誕生したのも20世紀です。と、同時に芸術の拠点がヨーロッパからアメリカへ移行します。その辺ざっくりと頭に入れておくとより興味深く観られるかと。(会場内に大きな年表も用意されています)。なお、「トライアローグ展」が終了すると、横浜美術館は大規模改修工事のため2年を超える休館に入ってしまうのでこれが見納めとなります。お見逃しなきように。

20/11/29(日)

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