13歳から38歳までビデオカメラやスマホで撮りためてきた日常の映像を振り返るというスタイルのフランス映画。年齢に合わせて主人公とその仲間たちが成長し、映像のテクノロジーも進化し、さらには1990年代から2000年代にかけてのできごとも忠実になぞり、その変化がじつに精密に構築されていて、ドキュメンタリーにしか見えない。だからこそ、そこらじゅうに仕掛けられているフランス映画らしいエスプリが活き活きと浮かび上がってきて、ラストシーンの素敵さにはもう完敗するしかなかった。名作。

20/11/4(水)