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水先案内人のおすすめ

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時代劇を中心に、過去の日本映画やテレビドラマについての、主に製作状況に関する研究を行う。スタッフや俳優への取材・聞き書きによる証言収集と検証をライフワークとする。個人的な趣味としては洋画が好き

春日 太一

映画史・時代劇研究家

SNS-少女たちの10日間-

かなり精神的にこたえる作品だ。覚悟をもって対峙した方がいい。もちろん、それだけの価値はある。 巨大なスタジオに子供部屋のセットが作られ、そこにオーディションで選ばれた幼い顔立ちの18歳以上の女性たちが連れてこられる。彼女たちの役割は、12歳のふりをしてSNSを始めること。そこでのやりとりを追ったドキュメントだ。 映し出されるのは、露骨な性的アプローチをしてくる男たちのあまりに醜悪な姿。観ていてかなりキツい。たまにまともな人間が出てくると感動を呼ぶほど。 一方、彼らの実態を暴こうとする作り手たちの姿勢は容赦ないまでに徹底している。要求に応えるためヌードモデルの写真を撮り、合成までする。女性たちの精神的ケアのため専門家たちも常駐させている。 コミュニケーションツールとして現代人の必需品のようになっているSNS。が、その誰もが簡単に繋がれる利便性は、結果として人間の恐ろしさや浅ましさがストレートにぶつかり合う温床を作り上げてしまった。 本作に描かれる男たちは、その闇が最悪な形で露呈しているといえる。 が、これは決して他人事ではない。もちろんケースはかなり違うけれども、それでも誰もがこうしたSNSの闇に取り込まれる危険性はある。本作の男たちほど酷くないかもしれないが、SNSでは誰もが加害者になりうる。私自身とて例外ではなく、気づかぬうちに誰かを傷つけていたりもする。だが、SNSの世界にはまり込むとそれが闇だと感じなくなる。そこは私も含め誰もが意識しなければならないことだ。 タイトルの通り、本作は「SNS」そのものを描いた作品に思えた。

21/4/26(月)

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