読書家と愛書家は、どちらも本が大好きだけれど、全く別の存在なのだと思わせるドキュメント映画です。 世界最大級の本の市「ニューヨーク・ブックフェア」から始まる本の話の数々。私のような本好きにはたまらない作品です。 いきなりゲイ・タリーズがインタビューに登場したのには度肝を抜かれたのですが、ゲイ・タリーズを知っている人も減ってしまいました。私には、まるでかつての人気俳優が突然出現したような衝撃ではあったのですが。 この作品は、次第に姿を消していくリアル書店への鎮魂歌のようでもありながら、電子書籍の時代になっても確固として残る紙の本への愛の告白にもなるドキュメントです。 ニューヨークにも東京神田の古書街のような書店の数々が残っているのですが、これも消えようとしています。コロナ禍で書店を訪れる人が減ってしまっているだろうと心を痛めます。 この映画を観る人は、エンド・クレジットが終わるまで席を立ってはならない。思わず微笑みが沸き起こるシーンが待っていますから。

21/4/6(火)