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水先案内人のおすすめ

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映画史・映画芸術の視点で新作・上映特集・映画展をご紹介

岡田 秀則

1968年生まれ、国立映画アーカイブ主任研究員

映画で巡る世界一周

会場を一周してみて、うーんと唸った。こういう展覧会が成立するのかと。確かに、発明以来120年あまり、産業規模に国ごとの違いはあれど、映画は世界のどこでも作られてきた。だが、世界全図を映画だけで構想するというこの大胆さは、過去のどの映画系展覧会にもなかった。 例えば「パリ映画マップ」や「ニューヨーク映画マップ」なんてのは、調査にある程度の努力や時間は必要だが、やればできるという感じがする。だが順路を回るにつれて、「えっ、本気で地球を回るんだ」という驚きに包まれてくる。力業である。 またこれは世界の映画ポスター展としても面白く、地理性を媒介に、ポスター内のさまざまな図像に目を凝らすいい機会でもある。レオス・カラックス『ポンヌフの恋人たち』のフランス版ポスターの挿画が主演のジュリエット・ビノシュの作だと知るような、意外な発見も多い。そして、配信のみならず今年劇場公開が実現したアルフォンソ・キュアロン『ローマ』のポスター(小野里徹氏所蔵)は必見。あの映画を観た方なら、ただ涙が出ます。 10月6日までですのでお急ぎを。

19/9/14(土)

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