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水先案内人のおすすめ

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白坂 由里

アートライター

片岡純也+岩竹理恵 個展「二つの心臓の大きな川」

2冊の本がゆっくりと接し離れていく作品は「Hello Goodbye」みたい。動くとは生きている証にほかならぬ。時に健気なキネティックな立体作品をつくるのは片岡純也。岩竹理恵は、解剖図と切手のコラージュなど、シュルレアリステックな平面作品を主につくる。一つのユニットとして活動する二人のそれぞれの作風が響き合う。ホワイトボードがシーソーのように動く作品では、定規やマグネットでできたコースをボールが走る、点や線や面の出会いがカンディンスキーの絵画のようにも見える。ボールはトーンの違う2種の影が実体について回る。コラージュでは時間や場所の異なる消印の円周がつながり、印刷では通常失敗とされる裏写りを美しく活かし、多層的な世界となっている。 机の上でものをつくる子どもの新鮮な心を思い出しつつ、無常観も感じたのはタイトルのせいもあるかな。

19/6/5(水)

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