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水先案内人のおすすめ

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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

『無明 内田吐夢』刊行記念 生誕121年 内田吐夢映画祭

『血槍富士』(5/25) 新文芸坐 『無明 内田吐夢』刊行記念 生誕121年 内田吐夢映画祭(5/22~25)で上映 十数年も中国を放浪していた巨匠・内田吐夢監督の13年ぶりの復帰第一作。盟友の溝口健二・小津安二郎・清水宏・伊藤大輔ら錚々たる面々が企画協力に名を連ねた異色時代劇だ。余談だが音楽を手掛けた小杉太一郎は内田の盟友のひとりである小杉勇の愛息。もうひとつ余談だが権八役の片岡千恵蔵の実子である植木基晴と植木千恵が子役として出演している。のどかな東海道を江戸に向かって旅する、若様・酒匂小十郎と槍持ち権八、お供の源太。まだ若い小十郎は気立ては優しいが、無類の酒好きで酒乱の気がある。ある日、事件は起きた。飲み屋で酒を酌み交わしていた小十郎と源太が、酔った侍集団に惨殺されたのだ。権八は主の仇を討つべく侍たちに戦いを挑んでいく。武士支配の封建制度の不条理、身分制度の理不尽さへの痛烈な批判は内田吐夢健在をアピール。クライマックスの酒浸しの中庭で泥まみれになって槍を振るう片岡千恵蔵の鬼気迫る大立ち回りが最大の見どころだ。

19/5/19(日)

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