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高松 啓二
1958年生まれ イラストレーター
ステージ・マザー
21/2/26(金)
TOHOシネマズ シャンテ
サンフランシスコのゲイバーでドラァグクイーンのリッキーが急死する。疎遠になっていた母メイベリンは、ゲイバーを相続するが……。テキサスの保守的な主婦が、LGBTQの人々との交流で多様性を受け入れていく過程が本作の面白みである。彼女の心の変化が亡くなった息子への贖罪となり、ゲイバーの連中も彼女と協力して店も繁盛していく。一見、往年のハリウッド映画の人情喜劇だが、共和党的な保守の地域と民主党的な革新の思想の戦いとなっており、政治的な側面が根底にある。特にメイベリンが帰郷した時の絶望感は象徴的な場面だ。それだけにラストのボニー・タイラーの『愛のかげり』は心にしみる!
21/2/23(火)