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時代劇研究家ですが趣味は洋画観賞。見知らぬ世界に惹かれます。
春日 太一
映画史・時代劇研究家
プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵
20/9/18(金)
シネマート新宿
よくできたサスペンス映画だ。 舞台はアパルトヘイトが敷かれる70年代の南アフリカ。黒人解放運動に参加したふたりの青年は、街に爆弾を仕掛けたことが見つかり投獄されてしまう。 物語は、いかにしてそこから脱獄するかを軸に展開される。 主人公を始めとする囚人たちは木製の鍵を作り、互いに協力し合いながら脱獄へのプロセスを時間をかけてひとつひとつ進めていく。 細かくピンチをちりばめ、それをギリギリですり抜けていく、基本に忠実なサスペンス演出が緊迫感を高め、耐えずハラハラどきどき。個々の人物のキャラクターも立っているため、彼らのひとりひとりを応援したくなってくる。 淡々とした中に不屈の魂を宿らせる、ダニエル・ラドクリフの演技も頼もしい。
20/9/17(木)