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演劇鑑賞年間300本、記者歴40年のベテラン

大島 幸久

演劇ジャーナリスト

二兎社『私たちは何も知らない』

充実期の劇作家永井愛の新作『私たちは何も知らない』。大いに期待しない訳にはいかないらしい。出演者は7人。皆、女性だ。青春群像劇らしい。 舞台は雑誌『青鞜』編集部。『青鞜』は明治・大正期に発行され、平塚らいてうによる創刊の辞「原始、女性は太陽であった」は当時の女性を開眼させる有名な一文だった。新しい“女性たち”。7人は夫婦別姓、事実婚を実践した作家らいてう始め、堂々と不倫をし、夫の大杉栄と共に憲兵によって殺害された伊藤野枝らが登場する。らいてうが朝倉あき、野枝が藤野涼子。この他には編集部に出入りする一般の娘や主婦たち。傑作『見よ、飛行機の高く飛べるを』を書いた永井の作・演出を刮目している。

19/11/22(金)

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