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演劇鑑賞年間300本、記者歴40年のベテラン
大島 幸久
演劇ジャーナリスト
二兎社『私たちは何も知らない』
19/11/24(日)~20/2/1(土)
東京芸術劇場 シアターウエスト、穂の国とよはし芸術劇場PLAT、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール ほか、滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 中ホール
充実期の劇作家永井愛の新作『私たちは何も知らない』。大いに期待しない訳にはいかないらしい。出演者は7人。皆、女性だ。青春群像劇らしい。 舞台は雑誌『青鞜』編集部。『青鞜』は明治・大正期に発行され、平塚らいてうによる創刊の辞「原始、女性は太陽であった」は当時の女性を開眼させる有名な一文だった。新しい“女性たち”。7人は夫婦別姓、事実婚を実践した作家らいてう始め、堂々と不倫をし、夫の大杉栄と共に憲兵によって殺害された伊藤野枝らが登場する。らいてうが朝倉あき、野枝が藤野涼子。この他には編集部に出入りする一般の娘や主婦たち。傑作『見よ、飛行機の高く飛べるを』を書いた永井の作・演出を刮目している。
19/11/22(金)