先頃のラグビーワールドカップで日本中を熱狂させた日本代表は、見た目もプレーも個性的な多国籍集団でありながら固く結束し、まさしく“ワンチーム”の底力を見せた。それに引き換え、このスペイン映画のバスケチームはメンバーそれぞれがマイペース過ぎて、パスやシュートの練習さえままならない。コーチを嫌々請け負った主人公もあきれ果て、翻弄されるばかり……。 ところが知的障がい者のバスケチームを報じた新聞記事にインスピレーションを得て製作された本作は、ひょんなことからチーム一丸となった登場人物たちのあっと驚く快進撃を描出。クライマックスの大熱戦は障がい者への偏見も勝利至上主義も吹っ飛ばし、観る者にこのうえなく純粋な興奮と感動をもたらしてくれる。その奇跡的とも言える爽快なカタルシス、ぜひ劇場で！

19/12/25(水)