Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

パール兄弟、作詞家、プロデューサーとして、音楽を中心に活動中

サエキけんぞう

ミュージシャン

原田治 展 「かわいい」の発見

僕の小学生時代、テレビでは米国アニメが全盛だった。ポパイや、ディック・トレーシー、チキチキ・マシンなど、楽しかったなあ。おそ松君や、パーマンも良かったけど、スタイリッシュなキャラのデザイン性からいえば、アメリカン・アニメに「カワイイ感性」を育てられたかも知れない。 そんな感性が、いつの間にか日本人の作ったキャラにすり替えられていたことに気が付いた。その張本人が原田治だった。 「明治エキゾティシズム」の発祥の地と自ら説明する東京築地で、原田は生まれ育った。その生い立ちから主要キャラ、ジャックとジルが立ち上がってくる冒頭で、原田流「カワイイ」が、米国を経由して日本人の作った街並に着地していく様が見て取れた。原田治筆による、洋顔から和顔へのわずかな、小さな、しかし確かな変化。それは戦後日本人が、欧米フードを「洋食」にした鮮烈な瞬間と同様だったのだろう。 大好きだったドーナツ屋のグッズ、今でも未開封ブツいくつかあります。そんな人多いでしょう。お茶碗やレンゲ、そんなドメスティックなグッズほど、グっときちゃう。 個人的にはペーター佐藤さんや安西水丸さん新谷雅弘とのグループ展「パレットくらぶ」の写真が眩しい。1979年なのに、昨日のように瑞々しい4人。それは日本が米国との狭間であることが艶やかに鋭かった季節の物語だった。

19/8/11(日)

アプリで読む