音楽史にその名を刻む偉大なアイコン、デヴィッド・ボウイ。ロックとアートの関係を考察する時にボウイは最重要アーティストであると僕は断言できるが、その象徴ともいえるアルバム『ジギー・スターダスト』が発表される前年の1971年、『世界を売った男』をリリースした24歳のボウイがイギリスからアメリカに渡って行ったプロモーション・ツアーを軸にして若き日のボウイの姿を浮き彫りにした『スターダスト』はジョニー・フリン演じるボウイが口にする予見的言葉を含めて今まで知らなかったボウイの創作の秘密を知ることができる実に魅力的な映画である。監督・脚本のガブリエル・レンジの「ひとりの人間が何故アーティストになるのかを描きたかった。何がその人間にアートを作らせるのか。……知らない彼を描きたかった。アーティストとしての彼を作り上げた心の旅を……」というコメントが見事に形になっている。

21/9/25(土)