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水先案内人のおすすめ

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夏目 深雪

著述・編集業

ベル・カント とらわれのアリア

1996年にペルーで起きた日本大使公邸占拠事件からヒントを得て執筆されたベストセラー小説を映画化した作品。 オペラ歌手ロクサーヌ(ジュリアン・ムーア)、実業家ホソカワ(渡辺謙)、通訳ゲン(加瀬亮)のキャスティングが的確で、その演技の豪華なアンサンブルを見ているだけでうっとり。彼らを拉致監禁したゲリラと心の交流が生まれ、ゲンに至っては彼らの一人と恋愛関係にまで陥ってしまう「リマ症候群」は、映画で描かれるのは初めてではないかと思うが、説得力があるのはそのせいだろう。ゲリラたちも人間として魅力的に描かれ、彼らの悲しき末路は世界の経済や政治の格差、そして9.11後のテロリストとは……など様々なことを考えさせられる。

19/11/11(月)

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