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水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
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生きのいい日本映画を中心に、大人向け外国映画も

平辻 哲也

1968年生まれ 映画ジャーナリスト

きみと、波にのれたら

50を過ぎたオッサンだけども、胸がキュンと熱くなった。これは何度も観たい映画だ。『夜明け告げるルーのうた』『夜は短し歩けよ乙女』『DEVILMAN crybaby』などで高く評価された湯浅政明監督の最新アニメ。キャラクターの独特な曲線、躍動感あふれる動き。この「クセが強い」物語と描写が湯浅作品の魅力だが、この青春ストーリーはどんな世代も涙なしでは観られない。 小さな港町へ越してきたひな子(声・川栄李奈)は、火事騒動をきっかけに、消防士の港(⽚寄涼太)と出会い、恋に落ちる。しかし、港は溺れた人を助けようとして、帰らぬ人に。悲しみに暮れるひな子がある日、「♪ 君が眺めている…」と思い出の歌を口ずさむと、水の中だけ港が現れて……。 亡き恋人がヒロインを守るという基本ストーリーは、パトリック・スウェイジ、デミ・ムーア共演の大ヒット『ゴースト/ニューヨークの幻』(90年)だ。「ずっとひな子を助ける」と言っていた港は、海やコップなど水の中に姿を見せる。当然、触れることはできない。それでも、ひな子は「ずっとこのままがいい」という。だけど、そんなことは続くわけがない。それだけで、もうせつない。 主題歌「Brand New Story」(GENERATIONS from EXILE TRIBE)もいい。これは大ヒット間違いなし。舞台は筆者の地元・千葉というのも、目びいきにした理由の一つ(笑)。「恋人たちの聖地」と言われる千葉ポートタワーも2人のデートスポットとして登場する。舞台となった港町も、ロケ地めぐりして、物語を追体験したいという人が急増しそうだ。

19/6/17(月)

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