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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

アンダードッグ 前編

『アンダードッグ 前編・後編』11/27(金)同日公開 製作陣、スタッフ、俳優陣の本気がスクリーンの隅々に溢れ出ているのです。『百円の恋』を超えるボクシング映画を。日本一のボクシング映画を。そんな声が聞こえてきそうなくらい、音楽、編集、カメラ、脚本、そして俳優の“プロの仕事”を見せつけられました。 すべてのバランスが整った安心感の中で、役者たちがボクシングに没入し、役になりきり、行き場を彷徨い、追い詰められていく姿が、変化していく肉体から目の輝きの違いでも分かるという演技の枠を超えた“本気”の姿。 怪物俳優・森山未來、と言いたくなる圧倒的な存在感。二面性あるキャラクターで、フラストレーションを抱えていることが匂い立つ勝地涼さんの器用さ。そして、少女漫画の主人公も演じられる北村匠海という俳優のまったく新しい扉が開いた瞬間を目撃した作品でした。それにしても新津ちせさんは相変わらず上手く、もはや子役とは言い難いのです。 ここまで俳優を輝かせる現場を作り上げた武正晴監督と佐藤現プロデューサーの映画愛と人間愛が詰まった本作は、ただのボクシング映画ではなく、居場所を求め、夢にすがる人間の弱くて強い物語になっていました。圧巻のひとこと。

20/11/23(月)

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