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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

サマーフィルムにのって

これはきっと私の映画──。 そう口にする人が多いだろうな。映画を愛し、夢中になって、共通言語で会話をする楽しさを知っている人ならば、間違いなく、自分ごとのように物語を見つめ、チャンバラ映画を懐かしみ、青春時代に観た日本映画や洋画へのオマージュを見つけてほくそ笑み、ワンシーンに秘められた映画愛に涙してしまう。 タイムトラベルものならば、『時をかける少女』と『バック・トゥ・ザ・フューチャー』という王道で観客に親しみを込めて。さらに松本壮史監督が尊敬する相米慎二監督作『ションベン・ライダー』からとったあだ名呼びや長回しがスパイスとなり、レトロさがお洒落にさえ感じるのだから。 しかもキャストが全員、活き活きとしているのが最大の魅力。 監督いわく、映画化する際には彼女しか思い付かなかったという伊藤万理華は、『セーラー服と機関銃』の薬師丸ひろ子や、『ションベン・ライダー』の河合美智子のように少年性を持った女子高生としてスクリーンを所狭しと走り回る。 ラブコメを否定するような物語から、ラブストーリーを青春映画として活劇に仕上げる監督の手腕に今後も期待。何より、映画が映画館で観られる世界が続くことを登場人物たちと共に願ってしまう。

21/7/25(日)

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