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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

ゾンビランド:ダブルタップ

ゾンビファンならば見逃してはいけないわ。前作『ゾンビランド』公開時の興奮は今でも忘れられない。あぁ、こんなに笑えるゾンビ映画が出てきたお陰で、ゾンビ映画の未来は明るいぞ! そう思った理由は、ゾンビ映画って、ジョージ・A・ロメロ監督によりホラー界のミッキーマウスのような存在になった永遠のアイドルなのだけど、基本的には“怖さの強度”を試される映画へと進化していって、そこに“笑いの密度”を導入した『ゾンビランド』はまさにゾンビもの救世主だからなのです。 マンネリからの脱出の為に、ゾンビが走るといった形をとったり、人間側の本質が問われる心理の部分にフィーチャーしたりと、手を替え品を替え、受け継がれたキャラクターが、この『ゾンビランド』では、主人公のひとり、ジェシー・アイゼンバーグ演じるコロンバスの博学ぶった定義づけのナレーションで、一気に“笑って楽しむ映画”として没入させてくれるのですもの。 『ウォーキング・デッド』や『28日後…』、最近の韓国映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』みたいな傑作に描かれる身近な人のゾンビ化のお陰で、もとは人だったゾンビを撃ち殺すことへの嫌悪感が少し生まれていた私さえ、“笑っていいんだ!”と安心して、作り物の映画の世界を楽しめるんだから。 しかも、ゾンビ映画のお約束となった愛する人のゾンビ化を、今作では、羽毛のように軽やかに描いていることも、制作サイドのゾンビ映画へのリスペクトと茶目っ気が伺えます。 それにしても、この最強チームの顔合わせは、画を最後まで飽きずに見られる一番の理由。 『ラ・ラ・ランド』で一躍人気者になったエマ・ストーン演じるウィチタのドライでタフなキャラをさらに引き立てる、ジェシー・アイゼンバーグ演じるコロンバスのひとり完結脳。アビゲイル・ブレスリンが少女から女性へと変化しているさまをリトルロックの恋として楽しめ、何よりウディ・ハレルソン演じるタラハシーのウザい親父ぶりがこれでもかというくらいチャーミングなのは、間違いなくウディ・ハレルソンが演じているから。プレスリーのマネをして女性のハートを射止めるなんて姿、彼だから成し得る秘技なのよ!

19/11/18(月)

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