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水先案内人のおすすめ

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歌舞伎とか文楽とか…伝統芸能ってカッコいい!

五十川 晶子

フリー編集者、ライター

新春浅草歌舞伎

歌舞伎座、新橋演舞場、国立劇場、そして浅草公会堂。東京の正月はここ毎年、四座で歌舞伎公演が行われている。 中でも若手歌舞伎役者たちの登竜門として40周年を迎えるのが新春浅草歌舞伎だ。今年も古典の大役に、尾上松也を初めとする若手の役者衆が挑戦する。 筆頭の尾上松也に注目してみると、第一部では『菅原伝授手習鑑 寺子屋』の松王丸をつとめる。歌舞伎の古典演目の中でも指折りの名作で上演頻度も高い。人形浄瑠璃文楽をベースにしている義太夫狂言なので、ドラマの完成度が高く、少しだけ”予習”をすれば初心者でもその見応えを味わえる一本だ。 またベテランの顔合わせとはまた違う、若々しいからこそ、まだまだ生硬だからこそ見えてくるドラマもある。『菅原』はある意味、引っ込みのつかなくなった若者たちの悲劇でもあるのだ。そこが歌舞伎の面白いところだ。 寺子屋を営む武部源蔵と戸浪の夫婦。菅相丞(菅原道真)の子・管秀才を密かに匿っている。だがそのことが発覚しそうになり、今日たまたま入ってきたばかりの寺子・小太郎の首を身替りとして、首実検にやってきた春藤玄蕃の前に差し出すことに。ただ、本当の管秀才の首かどうか検分するのは松王丸。彼は菅秀才を見知っている。さてどうなるか……。 第一部は他に舞踊『花の蘭平』『茶壺』、第二部は『絵本大功記』『仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場』。出演は尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助。そして坂東新悟、中村米吉、中村隼人、中村橋之助。中村錦之助が舞台を引き締める。

19/12/27(金)

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