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演劇鑑賞年間300本、記者歴40年のベテラン

大島 幸久

演劇ジャーナリスト

ナイロン100℃ 47th SESSION『イモンドの勝負』

初めて見た当時の大倉孝二は、まだ脇役陣の一人だったものの、何と突拍子もない演技をする奇怪な俳優が出てきたものだ、とビックリしたのを覚えている。その大倉は現在放送中のNHK大河ドラマ『青天を衝け』で大隈重信を、比較的(?)おとなしそうに演じている。体をクネクネさせたり、奇声を発したりのオーバーアクションはどうしたのだ? で、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下ケラ)による演出、そして新作『イモンドの勝負』である。 これはどうやらケラの本領であるナンセンス・コメディではないらしい。「ナンセンスの、あるいは不条理の極北にいく覚悟の作品」にしたいというのだ。これだけでは分かりにくい。ただし、大倉が扮するのは勝って勝って、勝ちまくる―と思い込む「男」とか。 男には、あるいは人は、時にはったりが必要だ―と、大学教授に教えてもらったことが、私にはある。自分に自信を持つことは大切とも…。どちらも難しいけど。 劇団ナイロン100℃は個性派がズラリと揃った集団になった。みのすけ、犬山イヌコ、三宅弘城 峯村リエ、松永玲子。それぞれ一本立ち出来る存在に成長した。そして今回、約3年ぶりの劇団公演には赤堀雅秋、山内圭哉、池谷のぶえという3人の曲者が客演する。ひねくれ者やら優柔不断といったキャラクターを得意にしてきた大倉とどう火花を散らすか。もはや想像もつかない。

21/11/14(日)

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